湯、出ました。

2月中の度重なる積雪と以降に降り続いた雨の影響で、今年は早くから湯が出始めました。

現在、岩盤からも目に見えての湧出も始まり、間もなくピークに達する事と予想されます。

ここ最近よく自然湧出のお湯はどう違うのか?とご質問される事がありますが、温泉成分表を比べてみますと、普段浴槽を満たしております揚湯泉(元箱根20号泉)と自然湧出泉(元箱根4号泉)では僅かな違いはあるものの、大きな差はなくほぼ同一の泉質であることが分かります。(成分総計を見ると揚湯泉20号泉の方が若干濃いとも表現できます)

ですが、成分表上ではほとんど同一の泉質でありながら、数年湯守りをさせて頂いている中で二つの源泉の違いを肌で感じます。

あくまで個人的な感覚でのお話にはなりますが、

<自然湧出泉>の場合は、特に湯上りの爽快感ともいえる肌の渇き方、タオルで拭う間もなくスッと消えていく様な感覚や、湯に浸かっている時のトロミともいえる肌当たりの柔らかさに違いを感じます。(ある人はメタケイ酸数の違いによるものだと言われますが、先ほどの通り成分表上での差はごく僅かな数値ですので不思議です・・・。)

また日頃ご利用されるお客様のご様子からも、普段熱い湯が苦手とおっしゃっていた方が、いつもより湯温が高い事に気付かず、検温の際に湯温をお伝えして驚かれていた事もありました。人によっては、それほどまろやかに感じるのかも知れません。

 

ここまで話をしてしまいますと、ではどちらの湯の方が優れているの?といったジャッジを尋ねられる事もございますが、そもそも温泉が心地よいと感じる本質的な点である、かけがえのない自然の恵みである事にどちらの湯も変わりありません。両方の湯に浸かればきっと、どちらの湯もお好きになる事と思います。

年に数回の貴重な湧出が始まりました。皆様のお越しをお待ち申し上げます。

秀明館 湯守り

 

 

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