日々のこと。

日頃、当館をご利用頂き、誠にありがとうございます。

ツツジやシャクナゲも最盛を過ぎ、玄関脇のアヤメが蕾を開かせ始めました。次に花咲くアジサイは花目が徐々に膨らみ始めております。

いよいよ入梅が近づき、四季折々自然豊かな日本の中でも、少し憂鬱な気分になってしまいます時季の到来ですが、同時にそろそろお湯も出始める頃とお思いの方も多い事と存じます。ここしばらく降りませぬ雨を、田畑を耕すお百姓様と同様、姥子の風呂屋も文字通り「恵みの雨」を心待ちにしております。

さて、湯が湧き始めアジサイが花開くご報告をするまでの間、今回は秀明館の「湯守」の仕事を僭越ながらお話させていただきたいと思います。

先日テレビで日本の職人さんを紹介する番組の中で、この「湯守り」という仕事も紹介されておりました。有名な温泉地の老舗旅館さんの湯守の方が、浴槽に手を入れただけで湯温をピタリと当てるその技術には驚かされました。湯温が少しでも熱ければ湯もみをしてコンマ単位で調整される技術は、正に職人技であり私も見習いたいと興味深く観ておりましたが、番組はそこで次の職人さんの紹介に移ってしまい少し残念に感じました。湯守は文字通り、湯に関わる仕事ですので確かにお湯の管理などがメインにはなりますが、その他にも大切な仕事がございます。

 

秀明館の場合も、もちろん先のお話の通り、温度の管理や設備の管理は重要な仕事でございます。ここ姥子の湯は泉質は単純泉でありますがPH3の酸性泉でございますので、なにかと設備などに支障が起こる事が多くあります。(翌朝出勤して大慌てなどという事も何度か、、、。)

 

※写真は風呂掃除の際、浴槽内で湯漏れを起こしている排水周りの補修をした時のもの。

こういった設備面はご想像通りかと思いますが、その他に館内の清掃も重要な仕事です。

日頃、館内の清掃をしています女性スタッフは勤続10年以上のベテランです。普段から建物のあちこちを清掃しながら点検してくれていますので、建物の破損箇所や秋になると危険な蜂の巣等も大きくなる前に教えてくれます。

掃除は設備の面でも皆様の安全面でも非常に重要な事なのです。

  

※一見みえないクモの巣もハタキをかけて落とします。畳も水拭きその他諸々。

  

※いつも持ち歩くお掃除セット、掃き掃除や拭き掃除は勿論のこと部屋の備品や洗面台、障子の桟にも対応出来る、館内掃除の七つ道具です。普段捨ててしまう様な物を、皆さん工夫して使っています。

特に当館入り口、旧宿泊棟は明治時代からの建物の為、廊下も建具も木材です。なるべく当時からの光を維持するため、石油系のWAXは使わず米ぬかや植物由来のオイルを使って手入れをしています。

  

※米ぬかをスタッフ考案の専用の手作りぬか袋に入れ、モップに装着します。(これがまた優れものです)

 

後は日々磨き続けます。石油系のWAXとは違いしっとりとした光沢が出ます。ぬかの油分が薄くなってきましたら中身を交換。

  

建具も木製ですので、特に雨風、紫外線に当たり続けますと木の油分が抜け、破損の原因になりますので、時間のある時に少しずつ油を染み込ませます。写真は食用の菜種油を塗ったものと塗っていないもの。比べますと歴然と差が出ます、、。

 

その他にも、館内を飾る花の活け込みも、皆様に季節をお知らせする大切な仕事と考えております。花は買うのではなく、敷地内にありますものを拝借したり、スタッフが朝自宅の周りに咲いている野の花を摘んできたりと、その時季を知らせる花を、皆思い思いに活けています。

      

 

その他夏の草刈、冬の雪カキ等、季節による仕事等々、これら全てを含みまして秀明館湯守りの日々の仕事でございます。

湯から始まる皆様にとってもまた、我々にとっても大切なこの「場」を守る(もる)事が湯守りの役割と受け止め、一同日々励んでおります。まだまだ至らぬ点も多くございますが、今後とも「湯治場」としての秀明館を守り続けて行く所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。

皆様のお越しを一同心よりお待ちしております。

湯守り

※現在秀明館ではスタッフを募集しております。詳しくは天山湯治郷までお問合せください。

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